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―そして私は4キロ太った― 多忙を極めていた夫が夏休みをとった。それで、6年前に二人で訪れてから「もう一度行きたいね!」と言い続けていたモルディブに行くことにした。ということで、久しぶりに食事も掃除もしなくていいマダムの生活が帰ってきた。そして、私は4キロ太った...。 なぜ4キロも太ってしまったのだろう。しかも1週間で!考えるに理由は3つあった。 まず1つめ、リラックスし過ぎたからかもしれない! 私たちが滞在したのはトラギリ島で、空港のある島から水上ボートで30分の島。トラギリ島は1周するのに徒歩10分のとても小さな島だ。ヤシの木などの熱帯植物が生い茂る島を、サンゴなどが砕けてできた白い砂浜がぐるりと取り囲んでいる。そして、近くには美しいラグーンが点在する。この小さな島には滞在したホテルしかない。そのホテル建物すべてがヤシの葉葺きのとんがり屋根で、とにかくナチュラル!この素朴さが私は気に入ってしまった。 客室は58あるが、もちろんヤシの葉葺きのとんがり屋根のコテージタイプで、すべて海に面している。コテージの入口にはゴロンとできる白いイスが二つ並んでいて、海を眺められる。その入口を入ると、10畳ほどの部屋が1つあるだけ。そこには大きな籐のベットと籐のドレッサーがあり、くくりつけの大きな洋服ダンスと小型冷蔵庫もある。天井には大きな扇風機、壁には新型のエアコンもある。この部屋の壁の向こうには、水洗トイレ・温水の真水シャワーと完璧。シャワーの隣にはドアがあり、泳いで帰ってきたら、この裏口のドアから入ってシャワーに直行出来る部屋の造りが有り難い。 島の中央には、やはりヤシ葺き屋根のレストランとバーがある。このバーは、「サンド・バー」という名前のとおり、きれいなサラサラした砂が5センチほど床に敷いてあるのだ。すこしひんやりしてこれまた気持ちがいい。私は、白い砂浜やこのバーをビーチサンダルで歩くのはもったいない!と思い、明るいうちは素足で歩いた。足が気持ちよく呼吸しているように感じた。しかし夫は、最後まで「危ない!」と言ってビーチサンダルを履きとおし、私を「お猿!」と呼んだ。 自然を大切にした島のホテルと十分な設備の中で過ごした。リラックス出来ないわけがない。太っても仕方ないか…。 2つめの理由、食事をいっぱい食べすぎたからかもしれない! 毎朝7時過ぎに目覚めた。起こしてくれるのは、潮騒の音と待ちくたびれたような夫の声。早々に身支度を済ませ…と言っても、Tシャツと短パンを着て、素足でコテージを出る。島の真ん中に建つレストランまで行く間、水平線に小さく浮かぶ隣の島を眺めたり、ヤシの木を見上げたり、色鮮やかなブーゲンビリアの葉に触ったり、とゆっくり道草しても3分でレストランに着く。今朝もまた私たちが1番だ。 モルディブ人のボーイたちに挨拶しながら、いつものテーブルに向かう。ここから見える海の景色も最高だ。「今日は何をしようか」「よく晴れてるし、泳げそうだね」「昨日読んでいた本があと20ページ残ってる」と、二人でミーティングをしていると、いつものボーイが挨拶にやってくる。昨日はよく眠れたか、と気遣ってくれる。この時、珈琲か紅茶かを注文するのだが、この島のレストランの珈琲は、はっきり言ってマズイ!隣のバーでマスターが入れてくれるカフェオレとエスプレッソは最高なのだが…。だからレストランでは紅茶ばかり飲んでいた。 食事はブッフェ形式で、10メートルぐらいの白く長〜いテーブルに、朝から食事が載っている。まず、パイナップルジュースかグレープフルーツジュースを選ぶのだが、ある朝、フランス人の中年女性からミックスにして飲むと美味しいことを夫が教えてもらってきた。次に、スライスされたパンを自分でパン焼き機に入れる。昔懐かしいバネを下げて上からパンを入れる機種だ。そしてトロピカルフルーツの盛り合わせや生野菜を取る。テーブルの中央には一人の若いコックが立っている。彼に自分が食べたい卵料理をオーダーするのだが、夫はトマトと玉ネギのみじん切りとチーズが入ったオムレツを毎朝作ってもらった。私は、目玉焼きだったり、茹で卵だったり、毎朝、彼の前で悩んだ。そうしていると、さっきのパン焼き機からパンが飛び上がる。あと、コーンフレークが数種並び、最後にミルクとサラミとチーズが私たちを待っている。このサラミがとても美味しくて、毎朝2枚づつ、時には3枚食べてしまった。 昼は、生野菜のサラダから始まって、ミートソースなどのパスタ類、チャーハン、フライドポテト、魚を使った料理…もちろんデザートまでいれると15種類は下らないと思う。お客はフランス人・イタリア人などのヨーロピアンがほとんどなので、あちらの味つけが多いのだが、中国系コックが一人いたので、中華料理もどきも堪能できた。 夜はこれ以上なのだ。メインの肉料理だけでも牛・豚・鶏と3種類あるし、これに魚のメインがつく。10メートルのテーブルにぎっしり所狭しと置いてある。また夜のデザートがすごい!別の3メートルほどのテーブルが用意され、ケーキだけで5種。あとババロアとクッキー、プリン、フルーツの盛り合わせでやっと終わる。なぜか取りすぎてしまうブッフェ。食事を食べすぎないわけがない。太って当然だろう。
理由の3つめは、海がきれいだったから! 朝食の後、部屋に戻ると窓から海が見える。さっそく水着に着替え、日焼け止めのローションを全身に厚く塗る。ブーツを履き、シュノーケルをマスクに付け頭にのせ、フィンを持って部屋を出る。10歩も歩けばブーツが海水に濡れる。そこでフィンをしっかり履き、後ずさりの格好で海に入っていく。海水が胸まで来ると海に向いて泳いで行く。下を見ると、そこはもう魚の楽園。色鮮やかな魚たちが、白い珊瑚礁の周りを泳いでいる。魚に寄っていくと、魚がこちらをじっと見る。魚と目と目があうのだ。しばらくこちらを見て、しかしすぐよそへ行ってしまう。しばらく後をついて泳いで行く。 6年前に来た時は、逃げるどころか私たちの後を追って泳いできたのに…。魚の数も少ないような気がする。バーのボーイとしゃべっていた時、そんなことを言ってみた。すると、真夜中に乱暴に魚を獲りに来ることがあるらしい。それが原因か? 黄色いヒトデやイソギンチャクの中に小さな魚が入っていたり、そんな事を見つけると夫に手で合図した。また別の珍しい魚が目に入って近寄ってみる。目が合う。また追いかける。一度潜ると、あっと言う間に1時間が過ぎる。1時間半も潜っていると結構疲れるので、一度海を出る。ビーチのバーに行って、喉を潤す。バーの周りには、ヤシの葉で葺いたパラソルが10個ぐらい出ていて、横になれる白いイスも置いてある。午後はここでお昼寝したり、本を読んだり、海に潜り直したりした。トランクに入れてきたボートを膨らませ、夫の人力モーターで海をしばらく漂ったりもした。 ある日、潜ると黒白の小さな魚が50匹ぐらい群れで泳いでいた。近寄って行くと、また目が合った。またよそへ行ってしまうのだろうと思った瞬間、その群れが私のマスクの前に寄ってきた。私の目の前10センチぐらいのところまで、50匹ぐらいがやってきて、私の目を見ている。この時ばかりは、私のほうが逃げてしまった。魚の前に指を伸ばすと、食べ物と思ったのだろうか、指先をつっついた。そんなことが何度もあった。 海が本当にきれいだったから、一日何度も潜った。いっぱい運動したから、いっぱい食べたし、夜は疲れてすぐ寝てしまった…。こんな風に過ごしたマダム生活が、私を4キロ太らせた。
ハラレのモルディブ
メモ *場 所* インド大陸の南 インド洋上*国面積* 南北800kmの範囲に約1200個の島が散らばっていて、 その約1200個の島が集めて「モルディブ共和国」。 *行き方* 日本から直行便はなし。今回の私たちはシンガポール経由で約10h。 *驚き!* その約1200個の島は、一周するのに10分から2時間ほどの小さな島々なので、空港のある島は 空港のみ。あと、首都の島はお役所や銀行があったり...日本で言う「街」を小分けして海に浮かべた感じというとわかりやすいだろうか。国民が住む島と観光客の島が、くっきり別れているのも面白い。それはイスラム教国からか? *回教国* イスラム教は戒律が厳しい、お酒飲めないとかetc。でもそんなのでは観光客が来ない...観光は国の大事な産業になってる。しかし島一つは小さい。で、国民が住む島と観光客の島と分けたんだと思う。 *観光島* 観光客の島は、70個もあるらしい。一つの島には一つのホテルしかない。昔からヨーロッパのお客が多いのだけど、日本のダイバーにも大人気!島のホテルが日本資本であったり、日本人のスタッフがいる島には、日本人が多い。同じように、イタリア人が多い島、フランス島など、それぞれ特色があるようだ。設備に関しては、衛星放送TV・電話付きの部屋もあるホテル。海の上に造った「水上コテージ」タイプのホテル。クーラーを付けていないホテル。塩水シャワーしかないホテルといろいろ。 *過し方* 私たちは、ダイビングのライセンスを持ってないし「取りたい!」とまで思わないので、今回も「シュノーケリング」が一番のメイン。あとは、波の音を聞きながら読書したり、お昼寝や散歩したり..とにかくの〜んびりした。 今回も「社会復帰ができるかな?」と不安になるくらい、のんびりした。あとホテル側で、魚釣り(舟で沖まで行って、糸をたらす...簡単なもの)、マーレ島(首都)見学に連れってくれたり、映画上映会、生バンドの演奏...イベントを用意してくれてた。 *メイン* 「シュノーケリング」でも海中散歩を充分楽しめる。足フィレつけて泳いでいると、私たちが魚だと思ってか(?)色とりどりの魚が集って来る。手を出すと指先にキスしてくれる。そんな体験が出来るのも海がきれいだからだろう。浅くても魚が一杯いるし、魚と一緒に泳げるという経験が、私たちシュノーケリング初心者にはとにかく嬉しい。「水族館で泳いでいる感じ」と言う例えは大変陳腐だが、悲しいことに一番近い例えだと思う。 *問題点* モルディブ共和国は、漁業・観光だけが主な産業の途上国。日本国は、無償資金協力や青年海外協力隊員派遣などで、援助し続けている。平均海抜がなんと1.6メートル!! 地球の温暖化で、解け出した氷が、近い将来、島々を海に沈めてしまうだろうと言われている国。202個の島に別れて住んでいる、20万人の国民を移民にさせないように、最良の手段が生まれることを祈る。そして、地球の温暖化をこれ以上進ませないように、私は毎日の生活で出来るだけ、出来るところから心掛けたい。 **参照 JTBのポケットガイド123「インド・ネパール・スリランカ・モルディブ」JTB出版** |