ジンバブエ分家頁 ハラレのマダム日記
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その36…独身気分の南ア旅行・5
アパルトヘイトの影
'95年8月12日(土)
早いもので、今日はジンバブエへ帰る日。今朝は4時半に、アンデイが起こしてくれた。この一週間、アンデイは私たち4人のお父さんのようだった。何
度何度も握手して、5時過ぎにアパートを出発した。
南アに来る時、一つ心配事があった。アパルトヘイトという人種差別の世界で、温々と生きてきた南アの白人が、日本人の私にどのように接するのかと。
また、憎しみ合ってきた黒人と白人が、急に共存できるわけがない。黒人に冷たい仕打ちをしている現場を見てしまうかもしれない…。
けれど、取り越し苦労のようだった。買い物先やレストランで接した南アの白人たちは、日本人の私に、とてもフレンドリーだった。もちろん、中国系
ジンバブエ人であるアンデイ・デイビット・ダニーにも全く変わらなかった。税関や銀行などエリートと呼ばれる職場には、白人しか働いていないと想像
していた。が、インド人や数は少ないが黒人もデスクを並べて働いていた。アンデイは、同じアパートに住む白人たちと楽しそうに話していたし、私の想
像以上に、黒人は明るい表情をしていた。
私の先入観が強すぎたのだ。南アの白人たちも、黒人と共存することをずっと望んでいたのだろうし、新しい一歩を踏み出せたのだ。
そんな風に、私はこの一週間見ていた。いや、そう思い込もうとしていたのかもしれない。…というのは、南アの税関で、消費税を還元する手続きをし
ていた時、隣のデスクで、白人の女性役人が、黒人の女性を叱っているところに居合わせてしまった。
ここに署名をして欲しいとか、住所を尋ねられる。
同じ事を言っているのだが、言い方が私たちの時に比べ、ずいぶんきつい。彼女が書いている間、ペンで机を叩いている。彼女が書き間違えたら、そのペ
ンで彼女の手を叩きそうな勢いで、机を叩いている。
目をつり上げて、じっと彼女を見ている。
この一週間、私が接した南アの白人たちは、私の隣に白人のエマがいたから、優しかったのだろうか。そう思っても仕方がないような出来事だった。
『独身気分の南ア旅行』これで終わりです。最後までつき合ってくださって、ありがとうございました。