ジンバブエ分家頁 ハラレのマダム日記
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'93年10月16日(土) 晴天で夕方スコール
マダムと呼ばれるようになって今日で10日目。今日はEWEの
上司の家へお呼ばれだった。首都ハラレの街より、車で15分の郊
外に住んでいる。まわりは立派な一軒屋ばかり。私はこのあたりを
“芦屋”と呼ぶことにした。と言っても、芦屋に行ったことはない。
上司の家の門は、高くてがんじょうそう。EWEがクラクション
を鳴らすと、門の扉が少しだけ開いて、ウォッチマンが現れた。
主人のお客だとわかると、こころよく中へ入れてくれた。入るとい
きなり目に入ったものは、なんとテニスコート!そしてプール!!
そのまわりにはきれいな花がたくさん咲き乱れている。奥には2台
分のガレージもある。スッすごすぎる!これが本当のマダムの家だ。
玄関のところで、所長夫人が手を振っている。私と違って“ベテ
ラン”マダムなのに、なんて気さくな人なんだろう。「さぁさぁ、
上がってちょうだい」と言いながら所長夫人がドアを開けた。でも、
上がるところがない!靴を脱ぐところがないのだ。そうか、靴のま
までいいのか。ふかふかの厚いじゅうたんの上を、汚いスニーカー
で歩くEWE。死んだおばあちゃんが見ていたら、なんて言うだろ
う。田舎者の私は、なんか悪いような気がして、つま先で歩いてし
まった。玄関の隣には、10畳ほどの客間があって、フカフカのソ
ファがおいてある。その次の部屋は、6畳ぐらいの部屋で、なんと
だんろがある。あと台所と、食堂と寝室が4つもあるそうだ。
「お夕食ができるまで、テニスでもなさったら?」と所長夫人。
「ではお言葉に甘えて」とEWEと始めてみたものの…実は私、テ
ニスコートに立つのは今日が初めて。テニスってミーハーぽくって、
今日まで逃げて生きてきたのだ。私のラケットに当たるボールは、
へそまがり。ネットの向こうのEWEのところに飛ばずに、左右の
フェンスを越えていく。さっきのウォッチマンが見かねて拾いに行っ
てくれる。それも10回どころではなかった。そうこうしているう
ちに雨が降ってきて、EWEは「助かった〜!」と言いながら、さっ
さと豪邸に入っていった。ウォッチマンも、ホッ!としたように見
えたのは、私の考え過ぎだろうか。
お夕食は、所長夫人自ら腕を振るってくださった日本料理のオン パレードだった。久しぶりのお味噌汁、ふっくらとした日本のお米、 ホテルのワンパターンの料理に飽きていた私たちにとって、この上 ない幸福の夕べとなった。