ジンバブエ分家頁 ハラレのマダム日記
その2…退屈なマダム '93年10月13日(水)晴天
マダムと呼ばれるようになって今日で7日目。「ホテル暮らしなんて素敵!」
とはしゃいでいたが、きのうぐらいから飽きてきた。
郊外に見つけた家に引っ越すまで、あと2週間もホテル暮らしは続く。
EWEが言うように今の私は“三食昼寝つき”のご身分なのに、ぜいたくを
言ってはいけなかった。
朝7時、ボーイが朝食を部屋に運んでくれる。8時過ぎにEWEが出勤する
と同時に、ハウスキーパーがやってきて、ベットメーキングからバスルームの
掃除までしてくれる。9時、近くの教会へ行く。その帰り、お気に入りの雑貨
屋や本屋、ブティックをうろつく。12時40分、EWEがお昼休みに戻って
くる。EWEは、昼食を急いで食べるとまた出勤。
午後は、小さなものを洗濯したり、新聞をテキストにして英語の勉強をした
り、部屋から双眼鏡を使って、人間ウォッチングをしたりしている。8階の窓
の下には大きな公園が広がっていて、芝生の上にゴロンと寝ころんだジンバブ
エ人の幸せそうな顔を見ていると、こちらまで嬉しくなって…私も小休止。
夕方になると、ハウスキーパーが再びやってきて、ポットの氷水を補充してく
れたり、ベットカバーを外して、すぐにベットへもぐり込めるように毛布とシ
ーツを半分に折ってくれる。
このハウスキーパーは21才。EWEの次に身近な人になった。彼は黒人の
ジンバブエ人。初めの日、ポットに水だけでなく氷も入れてほしいと頼んだ。
すると、次の日もその次の日もちゃんと氷も入れてくれる。洗面所でお化粧す
る時にと、寝室から椅子を持ってきたが、どうも座りづらい。それを察してく
れたのか、ちょうどいい椅子をどこからか運んできてくれた。
昨夜も残業続きのEWEを待たずに、部屋で夕食をとっていたらベッドのカバーを
取りに彼は現れて、
彼にはそんな私が寂しそうに映ったのだろうか。「マダム、ラジオでいい曲
やってるよ!」みたいなことを言って、ボリュームをいっぱいに上げてラジオ
をつけてくれる。そんなさりげない優しさがニクイ!でも、私がもっと英語が
できたらこう言っただろう。
「…嬉しいんだけど、今日は朝から頭が痛いのよ…」