ジンバブエ分家頁 ハラレのマダム日記


 

       

 

その10…真夏のクリスマス・イブ

'93年12月24日(金)晴天

 「ねぇー、真夏のクリスマスってどんな感じ?」「ハラレが考えてるほど、全然ロマンチックじゃないし…。やっぱりホワイト・クリスマスが最高だよ」…それは本当だった。

 11月の半ばを過ぎると、テレビCMの中には、サンタクロースや、大きなリボンのかかったプレゼントが出てきた。街には大きなクリスマス・ツリーが飾られ、黒人のサンタクロースのおじさんが、デパートの中に座っていた。日本のように、街がクリスマス一色に染まっているというのに、強い日差しのせいか、毎日半袖を着ているからか、私は、クリスマスも師走も、全く感じられないでいた。

 クリスマス・イブには、協力隊員が23人も大挙してやって来た。約束どおり、手料理とプレゼント交換の品をぶら下げて、14時頃から集まってきた。私は強者どもにあれこれ指示なんかしてしまって、苦手な料理を作りまくった。ロースト・チキンを2羽も焼けば、食卓もクリスマスっぽくなるだろうと思ったが…甘かった。音楽隊員に、キーボードでクリスマス・ソングを弾いてもらったが…どうもムードが出ない。そこで、山下達郎の“ホワイト・クリスマス”のCDをかけたが…始めは良かった。2時間ほどこの一曲をかけ続けたので、隊員達に「ハラレさん!飽きましたヨ」とひんしゅくをかってしまった。

 気がつくと19時、いつの間にかEWEは帰って来ていて、乾杯なんかとうに終わっていて、大きなテーブルに落ちそうなほど並べたお料理は、ほとんどなくなっていた。

 中国製の打ち上げ花火を買っていたことを思い出し、23人と私とEWEは、庭に出た。一つはきれいに上がった。もう一つは、雨期のせいでしけってしまったのか、何も言わない。髭をはやした建築隊員が、あきらめたくないと、火を付け続けている。「あいつムキになって」「まだ子供だヨなー」と言いながらも、誰一人として家に入ろうとしない。そんなうちに、なぜか自己紹介をしながら、みんなでしけった花火を見ていた。

 誰かがスイカを持ってきて、またみんなで食べ続けた。誰かが、「夏休みみたい!!」と言った。みんなうなずいた。クリスマスの雰囲気をつくろうと一人がんばっていたのに、とうとう夏休みにされてしまった。

   23時を過ぎても、みんないっこうに帰ろうとしない。12月の初めに到着した新隊員たちは、現地訓練の真っ最中でもあるので、EWEが無理矢理帰らせた。残りの13人のうちの一人は、酔っぱらって大暴れしている。EWEは、プール・サイドで女性隊員達から“なれそめ”をしゃべらされている。今夜はいったいどうなるの?  午前2時半、私たちはやっと寝かせてもらえた。

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